【レビュー】ハイパーインフレの悪夢

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どうもおぎすけです。

今回は藤巻先生のツイートで紹介されていた「ハイパーインフレの悪夢」のレビューです。

記事の信頼性

荻野圭助(@FIRE_2027
この記事がお勧めの方
  • 日本財政に不安を感じている方
  • 万が一ハイパーインフレになった時に家族を守りたい方
  • ハイパーインフレが起きた時に一発逆転を狙いたい方

1.日本の財政状況

今の日本の財政状況を考えると、数年以内のハイパーインフレの可能性は低いと思いますが、5年、10年単位で考えると薪は着実に積み上げられており、何かがきっかけでハイパーインフレの炎が燃え上がる可能性があります。

日本が奇跡的な経済成長を遂げて税収が大幅に増加するか、もしくは高齢者切り(社会保障カット)をして支出を抜本的に削減しない限りハイパーインフレは確実に一歩一歩近づいています。

詳細は以下の記事に書いています。

2.「ハイパーインフレの悪夢」の内容

(1)Amazonの紹介文

「ドイツの経験は反面教師として役にたつはずです」(池上彰氏)
東日本大震災を受け、今後つぎ込まれる多額の復興資金。国債の莫大な発行残高など、この国の財政秩序はもはや限界に近い。現状を唯一担保する「政府の信用」が崩れたとき、貨幣は価値を失い、国は死ぬ──。莫大な借金を重ねた挙句、政治的な混乱の結果、天文学的なインフレに見舞われ破綻したドイツの過去から、日本、そして世界の今後を暗示する警告の書。

(2)印象に残った10のフレーズ

【1】この本は1975年にイギリスで発刊。その後絶版になったが、バフェットが金融業界の友人に必読の書として推薦した。古本市場で21万円の値がついた。

【2】2011年3月に発生した東日本大震災の復興予算をどう捻出するかで、与党内部からは国債の日銀引き受けを求める声がでてきました。

~紙幣を印刷できる中央銀行が国債を引き受ける(お金を貸す)と政府は無限に借金をします。そうすると紙幣が大量に印刷され価値がなくなってしまいます(子供銀行券と同じになります)。そのため、日本含めて世界各国が法律で禁止しています。
中央銀行による日銀引き受けの声がでるということはそれほど日本財政は危機的状況になっているか、政治家にまともな金融リテラシーがないと思ってしまいます。

【3】モノの値段があがり続けている時に、預貯金するのは愚かなことでした。何でも商品に換えしばらく所有してから売ればなんなく大金が手に入ります。

【4】(ドイツ通貨)マルク相場の下落を見たフランス人たちはドイツにやってきて、商品を買いあさり、飽食を楽しみました。(中略)外国人は不動産や工場の権利や様々な会社を買い占めた。1番の犠牲者は資本を奪われた中産階級だった。

日本がハイパーインフレになった時には恐らく中国人の爆買いがはじまりますね。日本の土地、株式は中国人に買い占められると考えられます。

【5】紙幣とは共同幻想。人々の信頼が失われればそれはただの紙切れになるのです。

~紙幣の本質です。1971年のニクソンショックまでは紙幣は金との交換停止になるまえまでは価値がありましたが、今ではただの紙切れです。子供銀行券との違いはみんなが信じているかそうじゃないかの違いしかありません。

【6】下落の始まりはゆるやかだった。マルクの国際相場は大戦中、1914年から18にかけ、半分まで下がった後、1919年8月までにさらにその半分に下がった。

~現代ではインターネットの普及で情報伝達が当時とは比べ物にならないほど早くなっています。もし現代でハイパーインフレが起きたら、ゆるやかではなく一気に為替相場が動くと思われます。

【7】労働者階級の賃金は戦前に比べ8倍から10倍ほどあがった。ホワイトカラーの給料はそれより少なく2倍から4倍しか増えていない。

~ホワイトカラーの方はモノを作ったりしません。ハイパーインフレ時はモノが一番価値があるものになりますので、モノを作らないホワイトカラーは割を食ってしまいます。このブログの読者層はホワイトカラーが多いと思いますので、心にとめておいてください。

【8】ドイツでいくらかでも快適な暮らしをしているのは、農村の人間だけだった。農民はほかの国民に比べ、実質的な価値のあるものを手に入れやすかった。

~映画「サバイバルファミリー」、「ホームレス中学生」にも通じますが、こういうのを見ると当たり前ですが、人間究極的には食べ物なんですよね。

【9】(1922年)過去4週間の100%に近い物価の上昇はすさまじい勢いで進行したので、給料の引き上げの計画がそれに追いついていない。例えば、週末に給料を引き上げても、翌週の火曜日には、給料が物価の上昇に見合ったものではなくなる。継続的な賃金の引き上げにもかかわらず、労働者階級や給与生活者は深刻な打撃を受けている。

(中略)食糧をめぐる暴動や商店の略奪が起こりベルリンでも食糧をめぐる暴動が増えた。

ハイパーインフレに備えておかないと万が一の際には食糧に困ってしまいます。将来大切な家族が少量に困らないように最低限、米ドルを保有するなど対策が必要ですね。

【10】インフレの実態に気付いた者たちが、価値の失われない資産~家や、土地や、工業製品や原料など~を買って紙幣の損失から身を守ろうとした。

~私は将来ハイパーインフレになる日が訪れると考えていますので、住宅を購入しています。金利はハイパーインフレに備えて全期間固定で組んでいます。ハイパーインフレになれば、賃金がアップしますので、極論1ヶ月分の給料でローンが完済になってしまうこともあります。

ハイパーインフレが実際に起こるとどのようになるのか鮮明に記載されているのはとてもよかったのですが、言い回しや時系列などがわかりにくく、かなり読み辛いのがとても残念でした。。。

読みやすく編集していただければ良書になると思いました。

3.まとめと対策

(1)まとめ

ハイパーインフレの歴史を知っている富裕層は絶対に日本円に集中投資はしていません。世界の基軸通貨米ドルを中心に通貨分散をしています。

私も今の日本財政や日本政府のリーダーシップを見ていると、特にコロナ対策のお粗末さを見ていると、財政健全化などできるはずもなく、ハイパーインフレが訪れる日が来ると思ってしまいます。

小学生の息子が30、40代になるころには悲惨な状況になるのではと考えています。

(2)対策

ハイパーインフレになっても大丈夫なように資産の大半は米ドル(米株)で保有しています(詳細は以下記事)。

また自宅も賃貸ではなく購入のため、ハイパーインフレで賃料があがることはありません。むしろハイパーインフレで給料が100倍になるとローンの実質価値も100分の1になりすぐに完済できます。

私のポートフォリオであればハイパーインフレ時には一発逆転で富裕層になれる可能性もあります。

ハイパーインフレが数年以内に来る可能性は極めて低いと思いますが、確実に一歩一歩近づいていますので、備えることをお勧めします。

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