【小難しいので読むな】インフレ環境下でリターンを高める

資産運用

どうもおぎすけです。

インフレ環境下だと「株価が下落」するなどのニュースも増えてきて、不安に思うことありますよね。今日はインフレ環境下の投資リターンを少しでもあげるための話をします。

記事の信頼性

荻野圭助(@FIRE_2027

めっちゃ噛み砕くとこういう内容です

  • マーケットを予想するうえでFRBの金融政策めっちゃ大事!
  • FRBはインフレを抑えるために金融政策をするぞ。
  • けど、FRBといえどもインフレ抑制はめっちゃくちゃ難易度高い!
  • だって、インフレ抑制しよう思い切ってQTや利上げするとマジで失業者が増えるもん。
  • 失業者増えたら自分(FRB議長)を任命してくれた大統領に迷惑かけちゃうよ。
  • なんで迷惑かけるかって?失業者増えたら選挙で不利じゃん!自分の金融政策のせいで命の恩人(自分を任命してくれた)である大統領がクビ(落選)になっちゃうんだよ?!それってやばくね?
  • 自分をFRB議長に任命してくれた大統領にも恩義を感じているし、そもそも失業者って増えたら嫌じゃん?だからインフレが問題になってても失業率のことを気にすると思い切ったインフレ抑制策(QT、利上げ)はあまりやりたくないんだよね。
  • そうやってジレンマを感じているうちにインフレ抑制策が後回しになってインフレ率が制御できなくなっちゃうんだよね。
  • だからインフレ抑制するには、国民(失業者)や大統領に嫌われるかもしれないけど、米国の将来のために、思い切ったインフレ抑制策をしなきゃいけないんよ。
  • あ~その判断ってマジ辛い。
  • FRB議長としての矜持(きょうじ)を貫いてインフレ抑制策を実行できるFRB議長じゃないとインフレって抑制できないよ。マジで。
  • だから簡単にインフレを抑制できると思ってはいけないし、実際1970年代に米国はインフレ抑制に失敗している。
  • 今のパウエルFRB議長もきっとジレンマに悩んでるぞ。インフレ抑制失敗のストーリーも想定しておけ。
  • 具体的には、株価下落を心配してキャッシュポジションだけにしてると、インフレ抑制に失敗して株価が上昇した場合、キャッシュの価値が減る。つまり資産の実質価値が減っちゃう。だから株式の割合を減らしてもいいけど、全部売却は後悔するかもしれないぞ。2、3割は株式に振り向けておけ。

あー、勢いでばーっと書いた。結構かみ砕けたと思うけど、どう?

良いと思ったらツイートに「いいね」、「コメント」くれると嬉しいぞ。

さて、1つ1つみていきます。

世界中の投資家がFRBの一挙一動に注目

世界の株や為替は米国の中央銀行であるFRBの政策に大きく左右されます。
そのため、世界中の投資家が、FRBの一挙一動を見逃さないようにチェックし続けています。

足元は40年ぶりのインフレという異常事態になっており、その40年前の高インフレ時代のFRBの対応を理解することで、投資リターンを高める一助にしたいと思います。

当時の対応はこちらの本で振り返りました。
500ページにものぼり読み応えがありますが、当時の様子を詳細にまとめてあり、とても参考になりました。最初は図書館で借りたのですが、手元に置いておきたい名作でしたのでAmazonで買い直しました。

FRBの目標:①物価の安定、②最大雇用

FRBの政策動向を理解するためにまずは彼らが何を目的に政策を決めているのかを確認するところから始めます。

そもそもFRBの目標は?

FRBの最も重要な目標は①物価の安定、2最大雇用です。

物価は最終的にはモノの量と通貨量のバランスによって決まるため、その通貨量をコントロールすることで物価を安定させます。
通貨量をコントロールすると景気が左右されるため、同時に雇用(経済)も最大化するように目標が設定されます。

目標に対する立ち位置

まず、失業率です。

米雇用者数は堅調な伸び、失業率は予想以上に低下

米国の3月の雇用者数は前月比40万人余り増加し、失業率は市場予想以上に低下した。労働市場の堅調さが示された形

2022年4月Bloomberg「米雇用者数は堅調な伸び、失業率は予想以上に低下」

雇用はコロナ禍で大変な状況でしたが、FRBの金融政策が成功して過去最低水準の失業率になっています。

コロナ禍という前例がない異常事態の中、雇用を最大化するために、過去最大の金融緩和をしてきた結果とも言えます。

次に物価です。

その結果、金融緩和の副作用とも言うべき、物価(インフレ率)が40年ぶりの異常な高さになっています。

米消費者物価7.5%上昇に加速-40年ぶりの伸び率、予想も上回る

・総合CPIは前年同月比7.5%上昇-前月は7%上昇。

・1982年以来の大きな伸び。

・ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は7.3%上昇。

・前月比では0.6%上昇(市場予想0.4%上昇)

2022年2月Bloomberg「米消費者物価7.5%上昇に加速-40年ぶりの伸び率、予想も上回る」


FRBがどうインフレ率を抑えるか。手腕が問われる状況になっています。

1970~1978年のFRB議長はバーンズ議長はインフレ抑制に失敗

歴代のFRBもインフレ率と戦ってきましたので、その歴史を理解することが重要です。

実は米国では1970年台にもインフレがありましたがその時のFRBはインフレ抑制には失敗しています。

1970~1978年のFRB議長はバーンズ議長。
その8年間の平均インフレ率は6.5%と目標の2%を大きく超える水準であり、インフレ抑制に失敗しています。

バーンズ議長

「物価安定を取り戻そうとすれば、受け入れ難い水準の失業を生み出すことになり、議会(米国政府)の意思に反することになっただろう」と語っています。

そもそもの仕組みとしてはFRBは政府から独立していますが、FRB議長は大統領から任命されます。
そのため、FRB議長としても任命してもらった政府に恩義を感じることは当然であり、政府の意向も無視しきれないのです。

政府はもちろん失業者を増やしたくありません。なぜなら国民(失業者)から不満を持たれて選挙で負けてしまうからです。

つまり、FRBは政府の顔色も伺いながら金融政策を決めるのです。

そのため、インフレ環境下のFRBは「物価の安定」、「失業率」の両立というジレンマを抱えることになり、非常に難しい判断を迫られるのです。

まさにFRB議長として矜持が試される時なのです。

1979年に就任した伝説のFRB議長と言われているボルカーはインフレ抑制に成功

インフレ抑制に失敗したバーンズ議長の後に就任したのが「ボルカー議長」です。

ボルカー議長は「インフレファイター」として世界に名が知られている伝説のFRB議長です。

2008年のリーマンショック後の金融危機に際しては、オバマ政権のアドバイザーとして金融機関の高リスク投資を制限する「ボルカー・ルール」の法制化に尽力した方としても有名ですね。

ボルカー議長は嫌われ役を引き受けて、時には大統領の選挙敗北に1役買ったような金融引締めを思い切って実行することで、インフレ抑制を成功させました。

そのボルカー議長の考えや発言は示唆に富んでいます。一例ですが、紹介させて頂きます。

・「インフレ抑制には経済状況をまったく考慮せずとまでは言えないけど、それぐらい強い信念がないと退治できない」

・「インフレと戦うと言うこの仕事を引き受けることは人々から支持してもらえるなどと期待しないほうがいい」

・「中央銀行は金融政策で失業率を改善できるのは一時的であり、インフレ予想がなりを潜めている間だけである」

・「政治は常に中央銀行に金融緩和を求める。しかし一度人々のインフレ心理に火がつけば、いずれインフレは誰の手にも負えない大火となる。そうなる前に火を消せるのは、政治から独立した中央銀行だけである。その際には規律ある財政という政府の支援と信念を持った中央銀行トップが不可欠」

・「公定歩合を上げるタイミングが(カーター)大統領選の真っ最中だったというのは不幸なめぐりあわせでした。あの利上げがカーター敗北に1役買ったのかもしれません。(中略)私の全キャリアの中でも、あれば最もつらいことの1つでした。カーターは私を任命してくれた人です」

伝説のFRB議長ボルカー

この思考・行動、発言からわかるように、インフレ抑制にはジレンマを感じながらとても難しい判断をしなければいけません。

現・FRB議長・パウエル氏は経済状況を無視したような思い切った金融引締めができるかは疑問

FRB議長のこれまでの言動を見ていると、ボルカー議長ほど強い信念をもって金融引締めができるかは正直わかりません。

そのため、FRBがインフレ抑制に失敗するストーリーも想定しておくことが大事です。

今はキャッシュポジションを増やしる方もいいと思いますが、インフレが続くとキャッシュの価値は減価していきます。インフレが続く場合はインフレに強い「株式」を組み入れおくことが重要です。

私はそのようなことも想定して資産の3割程度は株式比率を維持しています。

読者のみなさまも大切な資産をインフレから守りながらリターンを高めていくことをお祈りしています。

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